『車の終活』
終活において、案外見落とされがちなのは、【愛車】ではないでしょうか。
「価値」があるのかないのかにかかわらず、基本的に車は相続の対象となります。
古い車で価値がないとしても、ご自身の死後に遺族が車の処分を行うことは、手続きの手間や労力もかかり大変です。
「こんなに大変なら親が生きているときに車を売却なり、廃車なりしておくべきだった」という遺族の声も少なくはないようです。
愛車の価値の有無にかかわらず、遺族に負担がかからないようにするためにも、終活などで生前に売却するなり、処分を検討された方が賢明かもしれません。
年式が10年を超えた古い車や走行距離が10万㎞を超えた車、また修復歴のある車で、中古車買取店で査定しても値段がつかないものは廃車にした方がよさそうです。
廃車手続きは自分で行うこともできますが、廃車買取業者に依頼すれば無料で代行してもらえるところもあるようです。事前に確認をするようにしてください。
~永久抹消登録に必要な書類~(ナンバープレートに記載された地域の運輸支局や陸運局で手続き)
①実印と印鑑証明書
②解体通知日、移動報告番号がわかる書類
③車検証
④ナンバープレート(前後2枚)返却
⑤リサイクル券
⑥自動車重量税還付申請書
⑦マイナンバーカードまたはコピー
⑧永久抹消登録申請書(陸運局で発行)
⑨手数料納付書(陸運局で発行)
⑩自動車税・自動車取得税申告書(陸運局で発行)
車を廃車にすると、自動車税や自動車重量税、自賠責保険料などの未経過分が月割り計算され、後日還付されます。
還付手続きを忘れてしまうと、本来もらえるはずのお金を受け取れなかったり、廃車後も税金や保険料を納付しなければならなくなったりしますので注意してください。
年式が新しい車や走行距離が5万㎞前後の車、まだ乗れる状態の良い車などは、高額で買い取ってもらえる可能性があります。
中古車買取店に売却する時は、1社だけではなく、複数の買取業者に査定してもらうようにしてください。
買取店によっては査定額が違います。ご自分が納得する額で売却するようにしましょう。
~売却時に必要な書類~
①車検証
②自賠責保険証明書
③リサイクル券
④自動車納税証明書
⑤実印と印鑑証明書(軽自動車の場合は不要、認印のみ用意する)
🟥あった方がいいものとして、以下の3点が揃っていると、査定額で加点される可能性もあるようです。
①点検整備記録簿……定期的に適切な整備を受けていると証明できる書類
(不正をしていない証で信頼を得やすいです)
②保証書……車の保証期間が記載された書類
(①と②がセットで「メンテナンスノート」となっています)
③取扱説明書……車のマニュアルで、各部の名称や機能などが記載されています
他には……
・車をカスタムした場合は、外した純正オプションを用意、もしくは付け替えておく
・スペアキーなどの備品 など
車を家族や知人に譲渡したいという方は、名義変更や任意保険の変更を行う必要があります。
手続きをするには、譲渡する人とされる人それぞれが複数の書類を用意する必要があり、手間がかかります。車が普通乗用車か軽自動車かで必要な書類や手続き(場所等)が違ってきますので注意してください。
~名義変更の事務手数料~
①移転登録手数料:500円(軽自動車の場合は無料)
②車庫証明書取得費用:2,000円程度(軽自動車の場合は無料、ただし地域によっては取得費用がかかります)
③ナンバープレート代:1,500円程度(使用管轄地域が変わる場合)など
【注意】譲渡する車の価値が110万円を超える場合は、譲渡した相手側に「贈与税」の支払いが発生することがあります。
どんなに大切な愛車であっても、いつかは必ずお別れする日がやってきます。
身体機能や認知能力に不安を感じた時が車を手放すのによいタイミングかもしれません。