トップへ戻る

ブログBLOG

コラム

『エンディングノート』

エンディングノート(または終活ノート)とは、ご自分のこれまでの人生を振り返り、自分自身の生い立ちや、資産の状況、葬儀の希望、家族や友人への伝言など人生の最後に必要な情報や想いを書き残しておくことを目的としたノートのことです。
遺言書よりも簡単に作成できますが、法的効力はありません。

エンディングノートは ①書店 ②文房具店 ③100円均一ショップ ④インターネット通販などで購入できます。
書き出しや内容に困ったり、文章を書くことに自信がなくても、専用のエンディングノートにはそれぞれ項目がありますので、わりと埋めやすいです。
形式は自由ですので、お気に入りのノートに自分の好きなように作成したり、パソコンやスマホのアプリを使用しても問題ありません。
早速、始めてみませんか。

エンディングノートに記載しておきたい 「15項目」
①基本情報
②遺言書の有無
③預貯金
④不動産
⑤株式・投資信託
⑥その他の資産
⑦人に貸しているお金
⑧生命保険
⑨PC・携帯電話
⑩ローン・定額料金
⑪葬儀・納骨・埋葬の希望
⑫親戚・知人・友人・勤務先の連絡先
⑬ペット
⑭医療・介護
⑮家族へのメッセージ

①基本情報

📍自分史(学歴、職歴、資格)📍人生の分岐点 📍性格、信念 📍人脈、仲間 📍趣味、特技 📍好きな食べ物 など
👉これまでのご自分の人生を振り返る目的で作成する場合は、今までの自分の趣味や特技、好きな食べ物、愛読書、普段からよく利用するお店などの情報をまとめておくのも良いですね。

②遺言書の有無

📍遺言書の有無 📍遺言書の保管場所 
👉遺言書の有無についても記載しておくと、ご自分の死後に行われる財産分与の際に混乱を避けられるかもしれません。
遺言書を作成している場合は、保管場所についてもまとめておくと探す手間が省けて手続きを行うまでの時間の節約にもなります。
なお、エンディングノートには法的効力がありません。財産分与の割合や相続人を指定したい場合は遺言書を作成しておくようにしてください。

③預貯金

📍金融機関名 📍支店名 📍預貯金の種類 📍口座番号 📍口座名義 📍口座の種類 📍通帳または印鑑の保管場所 📍金庫などに保管している現金
👉預貯金については、預け入れている金融機関や支店名、口座番号等をまとめておきます。
これらの情報を記載する場合はエンディングノートの紛失に注意してください。
万が一、紛失してしまうと不正引き出しの被害に遭う恐れがあります。
暗証番号などの重要情報については記載しないで、預貯金の存在を家族に伝えられる範囲にとどめておくようにしてください。

④不動産

📍不動産の種類(土地、戸建て、アパート、マンション、田畑、山林など)
📍不動産の用途(自宅、別荘、事務所、投資など)
📍不動産の登記上の住所 📍不動産の名義 📍利用者や管理者の連絡先 📍想定される不動産の時価 など
👉不動産を保有する場合は、その不動産に関する必要情報をまとめておきます。
不動産の相続に関する遺言がある場合は、エンディングノートでは法的効力がありませんので遺言書を作成するようにしてください。

⑤株式・投資信託など

📍金融商品の種類(株式、投資信託など)📍金融機関(証券会社)📍有価証券 📍数量 📍確定申告の有無
👉株式や投資信託などの金融商品を保有している場合は、情報をまとめておきます。
不動産と同様、遺言がある場合はエンディングノートとは別に遺言書を作成するようにしてください。
今までは、証券会社から郵送されてくる書類がきっかけで死後に財産があることが分かる事が多かったようですが、近年は電子化が進んでおり、郵送物が全く届かないという事があるかもしれません。
また、仮想通貨など電子情報だけのものも存在し始めています。そのような場合、エンディングノート等にまとめておかないと、遺族は永遠にその財産の存在に気付かない可能性があります。電子契約の資産についてはIDとパスワードも併せて生前に書き留めておくことは非常に大切なことです。

⑥その他の資産

📍自動車、バイク 📍ゴルフ会員権 📍リゾート会員権 📍骨董品、絵画等の資産価値があるもの 📍金、貴金属、宝石、高級ブランド品 など
👉絵画や骨董品など、おおよその資産価値(購入額や評価額)もまとめておくことをおすすめします。
思い出が詰まった品ではあるものの、資産価値がないものについては、形見分けとしてリストを作っておくと良いかもしれません。

⑦人に貸しているお金

👉人に貸しているお金がある場合は、貸している相手の氏名・連絡先・貸している金額などについてもまとめておきましょう。
ご自分の死後、遺族が返済を求めても相手が応じないといったケースも考えられますので、出来るだけ自分が生存している間に返済してもらうようにしてください。
人に貸しているお金に近いもので、出資などがあります。法律上、財産的な価値を持っている出資もありますが、最初の出資以後、全く入出金も郵送もやり取りされないと、遺族が気づくことはとても困難です。
また、名義を貸しているだけの方もいます。親しい友人に名前だけを貸したという場合、遺族にはそのことは分かりません。知らなければその友人と揉めることになりますので、紛らわしい財産がある場合は記録は残しておいた方がいいかもしれません。

⑧生命保険

📍保険の種類(保険名称)📍保険会社 📍連絡先 📍担当者名 📍証券番号 📍契約者名 📍保険金の受取人 📍保険証券などの保管場所
👉生命保険の死亡保険金や満期返戻金などは受取人が誰であるかによって「相続税」と「贈与税」のどちらかで課税されるか変わります。
保険の契約者・被保険者・受取人をすべて違う人にすることで相続税ではなく贈与税が発生するようになり、贈与税は毎年110万円までの控除が利用できますので税負担の軽減効果が期待できます。

⑨PC・携帯電話

👉パソコンや携帯電話がある場合、暗証番号またはパスワードをまとめておきます。
故人の携帯電話を解約するためには携帯電話本体が必要になることがありますので、保管場所についても書くようにしてください。
SNSや各種Webサイトで登録しているメールアドレスとパスワードについても忘れずに書いておいてください。

⑩ローン・定額料金

👉住宅や車のローン支払い、毎月の利用料支払いが発生するサービスについてもまとめておきましょう。
特に、住宅ローンや車の購入ローンは遺族が継続して支払わなければならないケースがあり、後々トラブルになる可能性があります。
定額料金は解約手続きをしない限り永久に利用料金が請求されることになってしまうので、不要なサービスがある場合はあらかじめ解約しておくか、エンディングノートに解約手順を記載しておきましょう。

⑪葬儀・納骨・埋葬の希望

📍葬儀の規模(一般葬、家族葬など)📍遺影の保管場所 📍墓石の購入有無 📍希望の納骨先(寺院名、霊園名、所在地、連絡先)など
👉密葬や家族葬など葬儀の形態が変化しています。
ご自分の死後、葬儀に参列してほしい人や喪主を任せたい人、納骨・埋葬場所の希望がある場合もまとめておくようにしてください。

⑫親戚・知人・友人・勤務先の連絡先

👉訃報の連絡をする際に役立ちますので、親戚や知人・友人、勤務先の連絡先についてもまとめておいてください。
LINEやTwitter、FacebookなどのSNSで連絡を取り合う人も増えてきていますので、連絡手段についても書いておくとわかりやすいです。
また、親戚との間柄をあらわす親族表などまとめておくと、相続問題が発生した際の相続人と相続順位を把握できますので便利です。

⑬ペットについて

📍ペットの名前 📍年齢 📍生年月日 📍性格 📍好きな食べ物、おもちゃ 📍動物病院や病歴 📍保険加入の有無 📍手術の有無
👉ペットを飼っている場合、ご自分の死後におけるペットの扱いや注意点についてもまとめておいてください。

⑭医療・介護について

👉末期の状態になった時、家族は延命措置などの決断を迫られます。
家族の精神的負担を減らすためにも、自己判断ができなくなった場合の対応方法を決めておくことは大切なことだと思います。
認知症などで意思疎通ができなくなった場合も考えて、介護のことや介護費用の捻出方法、アレルギーや持病、常備薬についても記入しておきましょう。

⑮家族へのメッセージ

👉普段はなかなか言葉にできない感謝の気持ちや、家族に伝えたいメッセージを書いておきましょう。

エンディングノートは書いたら終わりというわけではありません。
定期的に見直して、心境の変化や身体的変化、資産状況などが変わった時はその都度、書き直すようにしてください。
個人情報やご自身の全財産に関わる重要な内容が記載されていますので、保管場所には気をつけなければいけません。
配偶者や家族にはエンディングノートの存在を伝えておき、家族だけが知っている場所に保管するようにしましょう。
エンディングノートに関心がある今から書き始めることをおすすめします。

一覧へ戻る